2014年4月4日

愛を運ぶカラス


私が住んでいる場所は仙台の中心街から歩いて25分ほどだが自然豊かで、近くの山には年中クマが出没し、川にはサケが遡上し、空にはトンビとカラスが行き交う。

台所の窓から見える木の中に、今年もカラスの夫婦が巣作りを始めた。毎日せっせと小枝や苔を運んでいる。私の住まいは4階建ての最上階なので、鳥や虫が窓のすぐそばを横切って行く瞬間その姿や横顔を捉えると、その生き物が人間のように目的や意志を持って動いているのが感じられ、鳥肌が立つほどゾクゾクする。

昨日、バルコニーのすぐそばを横切っていったカラスは、太陽の光に当てるためにバルコニーに出してあったクリスタルと指輪をチラッと見た。その鋭い視線に私はドキッとした。カラスの目と脳からは強烈なエネルギーが発せられており、圧倒されそうになった。そうだった、彼は巣作りの材料を探しているのだ。

外側からは直接見えない場所に夫婦で協力しながらせっせと巣を作り、夏至の頃にヒナがかえると、自分と同じくらいの大きさになるまで一生懸命エサを運んで育て上げる。子が巣立ちをしたら、今度は家族全員で移動して、子にエサの取り方を指導する。

私は今年も台所から双眼鏡で観察するのである。夫婦のあり方や家族のあり方を。

カラスが愛を運んでくる。



  4月4日 カラスのスピリットに捧ぐ


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