2014年1月23日

ワケあり万歳!

帰省した際に入手したバターナット・スクウォッシュを使って、夕食にモロッコ風シチューを作るため、生協で買った「理由(わけ)あり」人参を切っていたときに、ふと思ったこと。

私はこの「理由あり」が好きである。どんなワケかというと、大きさにバラつきがあるから規格外になったものだということ。4本入って99円。お値打ちというだけでなく、頼もしさを感じるから好きである。

しかし、よく考えると失礼な話だ。こちらの方が本来の姿なのに、誰かが決めた規格から外れると価値が下がるというのは変だ。横暴な仕組みである。

誰かが作った規格に当てはまろうと一生懸命努力したり、当てはまらない自分の価値を否定することは、この社会にあまりにも定着している。

スーパーに行くと、見栄えの良い野菜が並ぶ。魚もほとんど同じ大きさ。消費者が好むから?いや、その心理を助長したのは誰?それに操られているのは誰?

ニュースでは、髪を黒く染めて、同じ色のスーツを身に着けた就職活動に臨む若者のことや、SNSの浸透により目立つことを恐れ、周りに合わせて控えめな生き方を選ぶ人たちのことが取り上げられている。

ふと、自分が2年前に描いた絵が浮かんだ。それは、思うようにならず、もやもやしていたときに描いたものだった。

その感覚を感じていると、お腹から憤った子供の叫び声が聞こえてきた。「ここにいるのが聞こえないの?いつまで無視する気?」

それは、自由奔放な姿をしたもうひとりの自分だった。その憤りの顔を描いたとき、私は興奮したのを覚えている。核心に迫る「なま」の顔だからである。

私の中の頼もしい「理由あり」チャイルド。この子供が持つエネルギーは生きる力そのものであり、内から揺さぶり、古い枠を壊し、新しい仕組みを生み出す力になると私は思う。

この子供が、一体どれだけの人の中にいることだろう。

4月の大分リトリートは、日常から離れた自然の中で、様々な角度から思い切り自分を感じ取り表現してみようと、相棒の椋梨晶子さんと私の二人の中にある冒険心に満ちた子供が決めた。有り難いことに、参加者は既に定員の半数に至っている。

私の中にいるこの子供は言う。「つないでいる手を離しても大丈夫、既につながっているから。横並びからはみ出して多いに結構。自分の歩は、自分だけのものだから」



タッチドローイング:「おーい、ここにいるのが聞こえないか!」
2012年4月 



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