2012年8月19日

アメジストのヒーリング



毎日引越しの準備でてんてこ舞いをしている。物を処理するのと、引越しの荷造りをするのが同時進行しているため、家中に物が散乱して、気分的にも落ち着かない。最近忙しくてクリエイティブなことをする時間を持てず、心がカサカサしていた。そうなると、体も重い感じになってしまう。

今日は思い切って、先月描いた一枚のタッチドローイングの絵に色付けをした。それはアメジストのヒーリングの絵である。

先月参加したリトリートの最後に、参加者一人ずつにアメジストの原石がプレゼントされた。タッチドローイング創始者のデボラさんは、リトリートの間ずっと会場の中央に置かれてあった29個の石が入った器を持ち上げて、「なんだかわからないけれど、最近アメジストとご縁があって、どうしても今回皆さんにひとつずつあげたいと思ったの。こういうのってニューエイジっぽくて、私の柄じゃないけど」と笑いながら説明してくれた。

石は参加者本人が選ぶのではなく、円になって座り、左隣の人が右隣の人のために選ぶという、デボラさんらしい方法だった。

私の左隣には、今回のリトリートで一番強く繋がったダイアンが座っていた。ダイアンは石の入った器が回ってくると、手を突っ込んで、迷いもせず一個をつかんだ。もう少しじっくりと選んでくれてもいいのにと思うほど、素早かった。しかし、さすがダイアン、独特な石を選んでくれた。

それは取っ手のような形をしており、握ると手の中にしっくりと納まった。持つと「道具」であるという感じがして、不思議な感覚になった。

私は、家に帰って間もなく部屋で静かに座り、石に来てくれたことを感謝して、ハートに石を当てて意識をつなげてみた。すると、体が勝手に動き出し、なにやら儀式のようなものが始まった。

直感で声を出していると、低い音とともに、アメジストと私は地球の核へと降りていった。そこには人類の過去・現在・未来を背負う胎児がいる。この胎児のへそとアメジストが繋がった。

胎児のいる空間には、胎児を見守るスピリットの存在が感じられ、そこは愛で溢れていた。アメジストはヘソを通じて胎児の中へと入っていくと、刻み込まれている人類の苦しみが体の外へと引っ張り出された。それは粘着性を帯びているが、外へ外へと引っ張り出されている。

私の中から自然に声が出てきた。低い音から次第に高い音へと変化していくと、石のエネルギーは声と共にトンネルを抜けるように上昇し、額の辺りからバイオレットとゴールドの強烈な光線となって広がっていった。

アメジストのヒーリング。変容の光は宇宙へと広がっていった。

Touch Drawing: Amethyst Healing (アメジストのヒーリング)



2012年8月1日

タッチドローイング・リトリートの体験 - 出現した土星


リトリートの3日目は、パートナーと組になって相手のエネルギーを感じ取り、ドローイングするというものだった。

通常は自分の内側にフォーカスして自分を表現するが、相手を感じて描くというのは初めてである。

28人の中から選ばれるパートナー。私のお相手は、最初に参加者全員がそろったときに、いきなり目が釘付けになるほど強烈に惹かれた人だった。彼女の名前はモージーン。内心「やっぱり彼女だ」と思った。

パートナー同士、向かい合って立ち、一定の時間、互いに相手の目を見つめたり、体全体のエネルギーを感じてみる。彼女は動物とコミュニケーションができる人で、とても優しい目をしている。この相手の目を見つめるというエクササイズは、セラピスト養成講座などでもやったが、いつも涙が溢れてしまう。

しかし、相手を感じてのタッチドローイングはやったことがなかったため、もし何のイメージも出てこなかったらどうしようかなどと、頭が余計なことを考え始めた。この相手を見つめている間、イメージはひとつしか来なかった。それを感じ取ってか、デボラさんが「何もイメージが来なくても大丈夫。意識せずに、普段どおりにドローイングをすればいいのです」と言った。

その唯一感じ取ったイメージを描くのだろうと、いよいよテーブルに戻って紙を前に目を閉じると、面白いもので、手はそれを描きたくない。それどころか、広大な宇宙空間にモージーンの魂の始まりのような漆黒の空間が現われる。

それを描き、新しい紙を置くと、やはり宇宙空間に、今度は紫色の球体が現われた。それが何であるかはわからないが、描くしかない。ボードには、すでに別の色の絵の具が伸ばしてあったため、紙を外して、紫色の球体を描く部分にだけ、わざわざ紫色の絵の具を塗って小さくローラーで伸ばし、紙を置きなおして描かなければならなかった。

ところが、紙を上に置くと下の色がわからなくなり、私は見事に的を外してしまった。タッチドローイングは一度描くと消すことはできない。しまったと思いながらも、それほど濃い色で出ていなかったので、紙を変えようともせずに、もう一度トライすることにした。今度は指がうまく紫のスポットに的中し、球体ができた。

できた絵を見ると、やはり失敗した方の球体が気になる。すると、指が勝手に動き、爪でその球体を消すかのように左右にカリカリと線を描き始めた。こんなことしても消えないのにと思いながらも、手は止まらない。

そのうちに線が楕円形の動きになり、球体の周りをグルグル描いていると体が熱くなってきて、「これは土星!そう、これは土星!土星じゃなきゃいけないんだ」という言葉が出てきた。するとその球体も「そうそう土星、それでいい」と返してくる。

頭は理解できないが感覚的には自信があり、この不一致がなんとも気持ち悪い。描いた後も、この土星のようなものの存在が気になって仕方なかった。




その後も新しい紙を置くたびに、特定のイメージが浮かび、それを忠実に描いていった。一時間ほど描き続けた後、お互いにシェアするときがきた。

私は、あの気になる絵をモージーンに見せた。見た本人が先に感想を言うことになっている。

「ああ、紫は私の好きな色なのよ。ふーん、宇宙って感じね。うんうん、なんか感じが伝わってくる」とモージーン。でも、何かを考えているのか、それ以上は何も言わなかったので、今度は私が描いたときに起こっていたことを説明した。

土星を指して、「実はこれ、失敗して残ってしまったものなの。でも消せないから、どうしようと思っていたら、手が勝手に動いて楕円を描き始めて、土星みたいな形になったの。そしたら、これは土星だってすごく主張している感じがするんだけど」

モージーンは目を見開いて言った。

「このリトリートに来る前に、占星術をやっている友人にリーディングをしてもらったの。その内容は時間がなくてまだ読んでいないけど、今年は私にとって人生最大というほどの大きな変化の年だって言われた。そこに、土星のことが書いてあったような気もする」

一瞬、鳥肌が立った。

それから二週間後、モージーンからメールが届いた。

「今日、あの占星術のリーディングの内容を車の運転中に聴いたの。今年、私にとって土星がとても重要な役割をするってことがわかったわ。この7月8日に始まり一年間、土星が色んな宮に入るって。だから、今年ものすごく重要な惑星なのよ。よくやったね、すごい!」

あの土星は、最初はイメージの中になかったのに、失敗することで偶然的に浮上した。しかし、偶然ではなかった。完全なプロセスをたどっていたのだった。なぜか「土星でなきゃいけない」と感じたのも、正しかった。

意識の深い場所から明かされる情報。それもこんな不思議な形で。不気味にさえ思える。タッチドローイングでこんな体験ができるとは思わなかった。

このとき、もうひとつの情報が、シンクロしたかのように、記憶の引き出しの中から飛び出した。

それは、無性に読みたくなって取り寄せ、リトリートに行く前に読んでいた著書「新しい芸術療法の流れ  クリエイティブ・アーツセラピー」に書かれていたことであった。著者は、東京で活躍されているアートセラピスト関則雄氏で、デボラさんの東京でのワークショップの主催者でもあった。

関氏は、アートセラピーのトランスパーソナル的な側面に焦点を当て、「より高い自己」と「現在の私」といった上下の縦軸として、私たちの意識が絵に描かれたシンボルを通して天体上の惑星とのつながり、メッセージを受けている事実を事例を挙げて説明している。

それによると、例えば、特定の惑星を描く数多くのクライアントの絵を占星術の知識を使って分析したところ、絵に描かれた惑星は、それが描かれた時間に進行中の当該惑星の位置と、それを描いた本人の出生図中の何らかの惑星と強い相関関係にあるという。

関氏はこう記している。
「人間の無意識は月よりはるか彼方にある惑星の動きを正確にキャッチしており、それを描画内容に反映させているという驚愕的事実を示している・・・このことは人間の意識が一方的に取り決めた秩序や規則というものを飛び越えて、無意識はもっと大きな秩序や法則と結びつき、それと共鳴していることを示している。ユングのいう集合的無意識とは、言い換えれば、このような大いなるリズムや秩序のエネルギーあるいは波動のことでもあると言うことができるであろう。・・・さらに、占星学ではそれぞれの星にはそれぞれの象徴的な意味が古来より付与されており、それにより各惑星が形成する座相の意味も異なってくる。つまり、それぞれの座相を形成した時は、それらの星からのその星が持つ象徴的なメッセージが、本人に投げかけられていることになる。これは、心理的な葛藤の由来は、出生以降のさまざまな体験やトラウマによるものという見方からさらにその枠を超えて、『自分は何故生まれてきたのか?』を含む大きな宇宙的視点からの理解を要求する。」

「モージーンの土星」の体験では、私という存在を超えた他者(モージーン)との関係の中(横軸)で、私という存在を超えた宇宙的視点に立った(縦軸)絵が現われた。

ペアになって相手を描くとき、タッチドローイングは、この横軸と縦軸の立体的なトランスパーソナル的側面を持つということを、今回身を持って体験できた。

また、この絵だけでなく、このときに相手のために描かれた他のすべての絵は、驚くほど本人にとって意味のあるものとなっている。

次の日記では、モージーンが私のために描いてくれた絵をシェアしたい。