2010年9月8日

足から宇宙へ

少し前になるが、4月に岡山でHeart of Lifeによるグラウンディング(第1チャクラ)のワークショップを受けた。このワークショップでは、さまざまなエクササイズを取り入れて、脚足に意識を向けたワークをした。

私にとってはどれも初めての体験であり、次々と変化していくプロセスを新鮮な気持ちで楽しめた。中でも、足に意識を向けてワークを進める各段階で描いた絵は、最後には思わぬ展開となったことがとても印象に残ったため、そのことをここにシェアしたいと思う。

普段ほとんど意識していない足が主役のこのワーク。まず両足で立って、右足、左足がそれぞれ地面と接するのを感じてみて、自分の体を木に例えたらどんな木になるかをイメージして絵にした


右足の木には、地面に少し根が生えており、地中へと伸びる黒くて太い根がある。枝はどちらかと言えば上に向かっていて、葉はおおむね広葉樹だが、針葉樹も少し混じっている。形はクリスマスツリーのようにとがっている。

これに対し、左足の木には右に飛び出している長い根があるだけで、地中に伸びる根はほとんどない。左右に両手を広げるような長い枝があり、葉はまだほとんどついていない裸の状態。右足の木と比べると、左足は下の方のバランスが悪くて、なんだか寂しい。見方を変えると、これから成長するのを待っているような感じである。

この絵を描いた後、2~3曲の原始的な音楽にあわせ、足を踏み鳴らして踊った。私の中で感覚的に最もしっくり来たのは最後の曲だった。オーストラリアのアボリジニの楽器ディジュリドゥだけの曲はこの中で最も原始的で、ディジュリドゥの音とリズムだけに意識を集中して体を動かしていると、ある時点から変性意識の状態になり、土の中の奥深くへと入っていく感覚になった。自分の中で眠っていた懐かしい何かが蘇るようで、音は原始的であればあるほど大地・地球とつながる感覚が強まる。土を掘って住居にしていた先住民のことが頭をよぎり、彼らと自分が一瞬重なった。

踊った後に再び足を軸とした木の絵を描いた



右足からまっすぐ伸びる根は地球の中心(核)とつながった。木を感じてみると、木を含めた全体が黄緑色のエネルギーに包まれている。そこで、右側を代表する色として丸い黄緑を絵に添えた。枝はというと、縦と横にまっすぐ伸びる黒っぽい十字架のようなイメージがくっきりと浮かんだ。木にはこんもりと緑の葉が茂り、そこに白い鳥がやって来た。

次に左足。最初のときのようにやはり右側に飛び出している根があり、他にも周りに根がある。まっすぐ伸びる根も成長し、右側ほどではないが、地中に向かって伸びている。右に対して、左は全体的に紫色が顕著で、葉にも紫色が混じっている。左側を代表する色として丸い紫を絵に添えた。枝は、右側と同じような十字架のような形である。

私は以前から目を閉じてリラックスした状態になると、必ずと言ってよいほど見える色がある。それが黄緑と紫。中心が黄緑で淵が紫になった後、それが反転し、交互に繰り返される。絵にも右と左でこの色が現れたことは、とても興味深い。

この後ワークはさらに続き、フェルデンクライス、トーニング、呼吸に合わせてマントラのような言葉を唱えながら自然の中を歩くミスティック・ウォーク、ポマンダーやクイント・エッセンスを使用したカラーブリージングの後、再度絵を描いてみた



ここでは、私は根だけにフォーカスしたので木の部分は見ていないが、右と左は大きく異なる。右の根は、幹と同じくらい太くなって地球の中心とつながっている。まっすぐで固くて黒い根。

これに対し、左の根は左巻きに渦を巻くように伸びている。その根を感じていると、真上から見た渦の状態が見えた。それが下に書いた絵である。色は黒っぽく、ドリルのようにグルグルとらせん状に巻きながら地中へ降りていく。

このように左右明らかに異なるイメージが出てきたため、これをさらに探っていくことになった。プロセスワークで使うシャーマニックなアプローチは、私も個人的に強く惹きつけられるものがある。

「右足の根の質はどんな感じ?音と動きで表すと?」という質問に、まっすぐな固いものが上下に動き、「シュッ、シュッ」という短い音を発している感じがしたため、自分の体を動かして実際にやってみた。

次に左足を表現すると、お腹のあたりを中心として左に旋回しながら、低い「ゥオーン」という長い音になる。

「では、この2つを統合してみるとどうなるかな?」という質問に、動きを入れながら「シュッ、シュッ」と「ゥオーン」を時間をかけて何度もやってみた。意識を集中して繰り返していると、「ゥオーン」で自分が銀河になったような感覚になり、ここで私が創り出されて、「シュッ、シュッ」でロケットのように行き先へ送り込まれる感じになった。

次に、同じ動きを他の3人にやってもらい、自分はそれを少し離れて客観的に見てみた。すると、「ゥオーン」といいながら旋回しているのは、情報をかき集めている(受け取る)ようで、これに対して上下運動の「シュッ、シュッ」は送り出す(出力)になり、これを見ていてハッとした。なんと、これは創造のプロセスではないか!

ここで絵を見直してまたもやハッとした。自分が描いたものは右足は男性性のエネルギー、左足は女性性のエネルギーを表しており、これは性的なものにもつながる。女性である私の中にあったこの「シュッ、シュッ」は、新鮮な印象を与える。

重力を意識して足と大地の関係にフォーカスしたワークが、旋回(渦巻くもの)と上下運動(貫くもの)という肉体的であり、同時に宇宙的でもある2つの対照的で根源的ともいえるエネルギーに行き着いた。私という一人の人間の中にこの2つがあって、それが統合されたところに創造がある、と思うと、深遠なテーマに触れたようで胸が高鳴った。

当時2~3ヶ月の間、岡部明美さんの養成講座や自主トレーニングで色々な形で繰り返し出てきた「貫くもの」と「渦巻くもの」。これが、このグラウンディングのワークショップで時間をかけて丁寧に感じてみることで、さらに深いレベルへと発展した。

「今ここ」レベルである体の動きや音を入り口として意識を集中して深く入っていくと、背後には大きなテーマが潜んでいるようである。それは肉体を超えたより大きな次元のものにつながり、その気づきに私は興奮を覚えた。

シャーマニックなアプローチが導くものは、私にとっては大きな意味のある神話にも通じるような世界であり、それを個人(魂)の神話と呼ぶならば、私は今回それを垣間見た思いになった。


0 件のコメント: