2008年9月30日

加速する船

9月18日に見た3つめの夢。

「人を乗せた背の高い大きな船が、大きな川を緩やかに進んでいく。私もその船に乗っており、ゆったりとした航行を楽しんでいる。

すると突然、船がスピードを上げて暴走し始めた。カヌーやカヤックに乗った人が突然目の前に現われるが、猛スピードで走る船はそれをよけることはできず、カヌーとカヤックにぶち当たって乗っている人たちをひき殺してしまう。

はるか上のデッキから見た恐ろしい光景。しかし、船はあまりにも大きいため、衝突したときのインパクト自体は小さく、乗船している人は気にもとめない。

私も、人の命が一瞬のうちに奪われたことの恐ろしさを感じる前に、それがあまりにも速いスピードで起こり、船はそのままものすごい勢いで進んで行き、川の両側の景色が次々と変わって行くため、気にする余裕もないというのが正直なところである」


これが、朝方に見た3つの夢のうちの最後の夢だった。起きて朝刊を見ると、「ワシントンミューチュアル(銀行)売却先を検討」という字が目に飛び込んできた。私の取引先の銀行である。しかし、私の中のある部分は既に知っていたかのように、なぜか全く動揺しなかった。

リーマンブラザーズの破綻に始まり、バンク・オブ・アメリカによるメリルリンチの買収が続く中、次はワシントンミューチュアルかと、パニックに陥った人々が預金を解約しに殺到した結果、キャッシュフローの問題が生じて、ついにワシントンミューチュアルも破綻。結局、JPモルガンが買収するに至ったが、9月15日の満月の日を境に、雪崩のようにこの一連の出来事が起こった。

この夢で、私は船の上にいた。英語に「We are in the same boat」という表現があり、これは「同じ境遇にある、運命を共にする」という意味である。船は、地球という運命共同体を象徴していたのだろうか。

今年に入って、さまざまな事が今までにないレベルで急激に変化している。特に夏以降激しくなっている。私たちが気づこうと気づくまいと、変化は着々と進んでいる。それを感じ取っている人も多いだろう。これからは、柔軟に速いスピードで意識を転換していかないと、ついて行けなくなるかもしれない。

ワシントンミューチュアルに個人年金口座を持っている私は、実は、既に3ヶ月ほど前に来るべき危機を感じ取っていて、資金を動かそうかと不安になったことがあった。そのとき、頭の中に入ってきた言葉が「不増不減」だった。般若心経にあるこの言葉。

さまざまな事が起こっていても、結局、全体としては増えることもなく減ることもないという意味の言葉。この言葉に、フッと心が楽になった。

顕在意識では不安や恐怖に揺れる自分の姿があったが、それを超えて最も高い視点から見た場合、不動の自分があった。損をしないようにしないようにとハラハラして、しがみついたりこだわったりする分だけ、苦しみも多くなるように思う。

私にとって、この「不増不減」という言葉は、自分の軸をしっかり固定させる上で役立った。

意識を転換するコツは、出来事に過剰に反応して恐怖心でグラグラ揺れることではなく、むしろ平常心を保ち、変化が来た時に古い考えを捨てて頭を切り替え、しっかり前を見据えて新しい波に乗っていくことであるのだろう。

0 件のコメント: