2007年11月2日

大木



大木のようになりたい

宇宙の一部としてただそこに存在する
時を重ね静かにたたずみ、すべてを見守っている
地に深くしっかりと根を張り、天へ天へと伸びる

春には芽吹き花を咲かせ、新しい生命の誕生を謳歌する
鳥や虫は糧を求めて集い、人々は花を愛で、その木の下に集う

夏には葉を大きく広げ、さんさんと輝く太陽の光を謳歌する
鳥たちはひなを育て、人々は木陰に涼を求め、その木の下に集う

秋には多くの命に糧を与え、豊かな実りを謳歌する
人々は新しい生命を秘めたその甘い果実を求め、その木の下に集う

冬には休息し、内なる力を謳歌する
新しい生命のために古い生命を捨てる
人々は燃して暖を取る枯葉や枝を求め、その木の下に集う

雨の日も風の日も日照りの日も雪の日も
ただそこに静かにたたずむ

大風に身を任せ、雪の重みに耐え、またそこから新しい生命が出ずる
地球にしっかりと根を張り、宇宙に向かって伸びる

春夏秋冬、生命の営みを繰り返し、着実に成長していく

幹は上へ上へと伸び、地と天をつなぎ
枝は横へ横へと伸び、地上の生命をつなぐ

物質世界と精神世界をつなぐのが幹だとすれば
枝は世界の人々をひとつにつなぐものである

そして魂たちが助け合い、共に成長していく

一本の木全体が宇宙だとすれば、
その葉一枚一枚は私たち一人一人である

葉はどれをとっても皆どこか違う、全く同じものはない
私たちは一人一人が唯一の存在で違っていて当然なのである

それでいて、葉の一枚一枚は小さな枝に属し、
枝の一本一本はより大きな枝に属し、
全体として一本の木に属している

それが宇宙の姿である

宇宙という大きなサイクルの中で無数の生命を育む木
その木が命を終えるとき、静かに朽ちる

そのときでさえ、多くの生命に糧を与え、最後には自分の姿は残さない

他を害することはあり得ず
絶え間なく与え続ける木

与え、与え、与え続ける
それがごく自然な姿であり、それを通してのみ成長はある

少しでも木のような生き方がしたい

すべてを受け入れ調和を保ち、しなやかに、それでいて力強くそこにたたずむ
宇宙と歩調を合わせ、年輪を重ね成長していく
地にしっかりと足を付け、着実に進んでいく

物質やエゴに流されず、空を仰ぎ魂の声に耳を傾ける
そして、枝葉を広げ人々の役に立ち自己実現をしていく
そこに真の喜びを見つけるとき、またひとつ成長できる

最後にこの世を去るときは裸で去る

大木のように生きたい
大木のようになりたい
大木のような存在になりたい

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